受験のため仮引退中でしたが、合格したので復帰しました。小説をはじめとしメイプル記事も更新されます。


by jwpwm424

第17部 深海

 なかなか好評(?)の小説です。では第17部いきまーす



 ショーワ街に平和が戻った。アジトの金塊、宝石、盗まれたトロフィーなどはすべて持ち主へ返された。一方アジトはと言えば、すべての手下、幹部、ボディーガードや姐御は、大親分であった狸のもっていた提灯によって操られていたという。なのですべての手下達は元々はショーワ街の住民だったのだ。

 しかしまだ謎は残った。どうやって火狸金融という建物・・つまりアジトはできたのであろうか、ボディガードや親分の持っていた武器はどこから出てきたのだろうか。そして何より、迷子になった狸が拾った提灯にはどんな力が秘められていたのか。

 「それじゃあ、僕らはそろそろ行くよ。」

デニスは迷子の狸を抱え、ショーワ街の人々に別れを告げた。ミストは瀕死の重傷だったが今は回復した。

「この街を救ってくれてありがとよ。また近くに来たときはよってくれ。それとこれもやろう。」

コンペイはデニスに左右に羽のついた兜を渡し、2人と1匹に別れを告げた。

 そしてジパングの動物の森についた。

「まあ、どうもありがとうございます。」

狸達は礼を言い、デニスは事情を説明した。

「そんなことが・・・そういえば、鴉の家から不審な空気が流れていたけど、その子が迷子になった日からは不審な空気がなくなったの。その提灯の中にその力が封じられていると思うわ。」

狸達の代表はそう言い、提灯の取り扱いには注意するようにデニスへ言った。

「そうですか。それじゃあ僕らはこれで・・・」

「待ってください。」

デニス達が去ろうとすると、迷子になった狸の母親が呼び止めた。

「これは、我々に先祖代々伝わる弓です。どうか持っていってください。」

そして狸は弓を差し出した。両端に悪魔のような羽がついており、赤色をした大きな弓だった。

「ありがとうございます。それじゃあ、あなた方もお元気で。」

デニスは新しい弓、メトスを受け取り、動物の森から出た。

 「なあ、デニス、その提灯どうするんだ?」

椅子に座って団子を食べているデニスに同じく団子を食べているミストは聞いた。

「んー・・・とりあえず持っておくよ。下手に空けると前の封印の壺みたいになりそうだし。」

そう言いながらもう1つの3色の団子を食べ始めた。

「そういえば、聞いたことがあるんだが、前行ったエルナスに、海があるらしい。どうする?」

それを聞いた瞬間デニスは即座に

「行く!絶対行く!」

と言った。別に暑いわけではない。メイプル世界には灼熱の太陽が常に照りつける場所も、常に氷に覆われた場所もあるのだ。

「じゃあ、船に乗って行こうか。」

ミストは団子を食べ終わって、炎のブルドックから手に入れた先に骸骨のついた棒、レイドンスタッフを手に持った。

 そして、オルビス塔を二人は下った。そして水中へ入ろうとしたが、1つ問題があった。

「あの・・・海岸は?」

デニスがやや震えながら聞いた。

「そんなもんないみたいだな。この中からいきなり海だ。」

「そ・・そんな・・泳げないのに・・・」

デニスは海岸で砂遊びをする予定だったようだ。

「まあ・・・行くぞ!」

気合と共に2人は海へと入った。

 海の中では、なぜか息が出来た。

「なんだ・・・息ができるのか。」

デニスは安心した。そして塔の地下から出ると、綺麗な海が広がっていた。

「よし、じゃあここでくつろごうぜ。」

ミストの提案にデニスも賛成し、珊瑚を枕に寝た。

 しばらくして、地面が揺れた。驚いてデニスは飛び起きると、透き通っていたはずの水が濁り、遠くに巨大な竜巻が見えた。

「な・・・なんだ・・・?」

デニスは状況を理解し、ミストを起こした。

「お・・・おい・・・どうするんだ?」

ミストは対策を考えたが、名案が浮かばない。そうこうしているうちに竜巻は2人の間近に迫った。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・」

叫び声を残して2人は巨大な竜巻に飲み込まれた。

 気がつくと、あたりは薄暗かった。光も届かないほどの深海のようだ。しかし水圧はなかった。

「う・・ん・・・どうやら生きてるみたいだな・・」

ミストが体を起こした。が、デニスは隣にいなかった。

「・・!デニス!どこだー!」

その声に気づいて、背後から影が迫る。それは氷の力を宿した鮫だった。鮫は氷の魔方陣を描き、氷の塊をミストへぶつけた。

「ぐ・・・どこだ!」

首と片手が凍りついて、辺りを見回せなかった。近くにいることは確かなので、レイドンスタッフに魔力を集中、天からの一撃、シャイニングレイを放った。後ろで鮫のうめき声が聞こえ、鮫は倒れた。

「ふう・・・危なかった・・・」

ミストは一息つくと、デニスの矢が落ちていることに気づいた。そしてその先は洞窟になっていた。

「デニスっ!」

叫び声と共に洞窟へと入った。空を飛ぶ一つ目蝙蝠、フライアイをかわしつつ洞窟の奥に入ると、デニスがショーワ街でもらったG,ウィングキャップが落ちていた。そして前に生物がいることがわかった。そしてその生物は目を開けた。それと同時目の上がXの形に光り、あたりが明るくなっていく。そこには巨大な魚がいた。魚の口元にはデニスの手袋がぶらさがっていた。

「・・・よくもデニスを!」

怒りにミストは燃え、レイドンスタッフに魔力を込める。それと同時に魚も戦闘態勢を取る。

 深海の王者は、新たな獲物を求めて額のXの形の傷に魔力を込める。光も届かぬ海底洞窟で、戦いが始まった。



第17部終了です~
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by jwpwm424 | 2006-09-06 20:14 | メイプル小説